ナインボール
ナインボールはポケットビリヤードのゲームの中で最もポピュラーなルールです。
1~9の的球を用いて行い、台上の最も小さい番号の的球に最初に手球をヒットさせなくてはなりません。
また、ゲーム中にポケットした的球の数に関わらず、9ボールをポケットしたプレイヤーがそのゲームの勝者となります。
参加可能プレイヤーの数は2名です。
ナインボールのゲームの流れ
まずはナインボールのゲームの流れをおおまかに見ていきましょう。
- 先攻を決める(バンキング)。
- ラックする。
- ブレイクする。
- 台上の最も小さい番号の的球に最初に手球をヒットさせ、的球をポケットしていく。
- 9ボールをポケットしたプレイヤーがゲームの勝者になる。
- 手順2~5を繰り返して既定のゲーム数を獲得したプレイヤーがセットの勝者になる。
それでは各項目について詳しく見ていきましょう。
1.先攻を決める
まずは先攻を決めます。
じゃんけんやコイントスなどで決めても良いのですが、ビリヤードにはバンキングという先攻の決め方があります。

フット側短クッションから2ポイントのラインから、ヘッド側短クッションに向けて両プレイヤーが同時にショットします。
ショットした球がフット側短クッションに近いプレイヤーが先攻を選択できます。
このとき、ショットした球が長クッションに触れたり、ポケットしてしまったりした場合には無効ショットとなり、
相手が有効のショットをしていた場合には、フット側短クッションからどれだけ遠くても負けとなります。
2.ラックする
先攻が決まったらラックしましょう。
的球をブレイクするための所定の場所に集めることを、ラックする、ラックを組む、ラックを立てる、などと言います。
ナインボールの場合には1~9の球を下図のようにラックします。

ここで、1ボールと9ボールの場所は固定です。
1ボールはフットスポット上で9ボールはラック中央です。
他の球はランダムでも構いませんし、自分で決めた順番に置いても構いません。
ちなみに、ランダムに置いた場合にはランダムラック、何か意図があって自分で決めて置いた場合にはパターンラックと呼びます。
また、ブレイクをする人が自分でラックする場合にはセルフラック、相手がラックする場合には相手ラックと呼びます。
アマチュアの主流はセルフラックです。
セルフラックの場合には、2ボールの場所も上図のように固定することが暗黙の了解になっています。
3.ブレイクする
ラックできたらブレイクしましょう。
キッチン内に手球を置いて、1ボールに向けてショットします。
このとき、手球の下に必ずザブトンを敷きましょう。

ブレイクの際のショットをブレイクショットと呼びます。
ブレイクショットは的球のポジションを左右するので、非常に重要なショットです。
そのため、上級者では非常に奥が深いショットですが、
初心者の間はとにかく出来るだけ強くショットしましょう。
ブレイクの際に9ボールがポケットした場合には、相手ラックのときにはブレイクを行ったプレイヤーがゲームに勝利します(ブレイクエースと呼びます)。
セルフラックの場合には即勝利とはならず、的球ポケット扱いとした上で9ボールをフットスポット上に戻します(フット戻しと言います)。
4.的球を落としていく
ブレイクで的球が台上に散らばったら的球をポケットしていきます。
ブレイクショットでいずれかの的球が1個以上ポケットされた場合には、ブレイクを行ったプレイヤーがプレイを続行します。

ナインボールでは、台上の的球の中で最も小さい番号の的球に手球を最初にヒットさせなくてはなりません。
例えば上図の状況では台上の的球の中で最も小さい番号の的球は3ボールなので、手球を最初に3ボールにヒットさせなくてはならないということになります。
逆に、台上の的球の中で最も小さい番号の的球に手球を最初にヒットさえさせれば、ポケットする球やポケットの場所は任意です。
つまり以下のショットはリーガルプレイになります。

1ボールを5ボールに当てて5ボールをポケットする(コンビネーションショット、コンビショットなどと呼びます)。

1ボールに手球をヒットさせてから、手球で3ボールをポケットする(キャノンショット、キスショットなどと呼びます)。
ファウルさえしなければ、狙ってもいないポケットに的球が偶然落ちても有効になります(フロックと呼びます)。
もっと言えば、偶然9ボールが落ちても有効です。勝ちです。
プレイヤーがショットを行った際の進行は以下のいずれかです。
・的球をポケットできた
もちろん、フロックも含みます。
ショットを行ったプレイヤーがプレイを続行します。
手球や的球の位置はそのままです。
・的球をポケットできなかった
相手プレイヤーにプレイ権が移ります。
手球や的球の位置はそのままです。
・ファウルした
相手プレイヤーにプレイ権が移り、手球を任意の場所に置いてプレイを再開します(フリーボールと呼びます)。
ファウルした際に的球がポケットしていた場合、それが1~8ボールであれば台上に戻さずそのままです。
9ボールであったときのみ、フット戻しです。
以下がナインボールのファウルになります。
少し項目が多く、内容も多いですが、しっかり覚えてプレイしましょう。
- 台上の的球の中で最も小さい番号の的球に手球が最初にヒットしなかった
- 手球が的球にヒット後、手球もどの的球もポケットせず、クッションにも触れなかった(ノークッション)
- 体や衣服で手球や的球に触ってしまった (球触り)
- 手球がポケットした(スクラッチ)
- 手球を2度撞いてしまった(2度撞き)
- 手球が台外にでてしまった
- 手球や的球が全て静止する前にショットした
- 目印を付けてショットした
- 両足が地面から離れた状態でショットした
- 手球をすくい上げるようにジャンプさせた(イリーガルジャンプ)
ノークッションや2度撞き、両足離れ、イリーガルジャンプなどが初心者に多いファウルです。
・最小番号の的球にヒットしない
台上の的球の中で最も小さい番号の的球に手球が最初にヒットしなかった場合はファウルです。
例えば、台上に1ボールがあるのに2ボールに最初に手球がヒットした場合などがこのファウルです。
手球がどの的球にもヒットしなかった場合にもファウルになります。
ショット前の素振りで手球にタップが触れてしまって、僅かに手球が動いてしまった場合もこのファウル扱いです。
・ノークッション
手球が的球にヒット後、手球もどの的球もポケットせず、クッションにも触れなかった場合はファウルです。
ノークッションと呼びます。
最小番号の的球にごく弱くヒットさせた場合によくおきます。
先にクッションに手球が触れてから的球にヒットした場合にも、ヒット後に判定があることに注意してください。
初心者のプレイヤーが存在を知らずによくやるファウルのひとつです。
・球触り
体や衣服で手球や的球に触ってしまった場合はファウルです。
球触りと呼びます。
髪の毛や裾、パーカーのフード紐なども該当するので注意が必要です。
ショット後にキューの横などで球に触れた場合にもファウルです。
・スクラッチ
手球がポケットした場合はファウルです。
スクラッチと呼びます。
ブレイクショットのときにも適用されます。
・2度撞き
手球を2度撞いてしまった場合はファウルです。
2度撞き、ダブルヒットなどと呼びます。
手球と的球が非常に近い場合に注意が必要です。
ルールによっては手球と的球が非常に近い場合(チョーク1個分以下)には、
「プッシュ」「ダブルヒット」などと事前に申告した場合にのみファウル免除になる場合もあります。
・手球場外
手球が台から落ちてしまった場合にはファウルです。
ただし、クッションやレールを転がって台上に復帰した場合はファウルとはなりません。
強く撞いたときや強いブレイクショットをしたときにおこりやすいファウルです。
・球が静止前にショット
手球や的球が全て静止する前にショットした場合はファウルです。
ポケットした後やプレイ権を得た場合にはひと呼吸置いて落ち着いてプレイしましょう。
・目印
チョークやものを置くなどして目印を付けてショットした場合はファウルです。
スポーツマンシップにも反しますし、やめましょう。
・両足が地面から離れてショット
両足が地面から離れた状態でショットした場合はファウルです。
よく台に乗って両足が地面から離れた状態でショットしている初心者がいますが、実はファウルです。
遠い球や撞きにくい球はメカニカルブリッジを使ってショットしましょう。
片足が地面から離れた状態でショットするのは問題ありません。
また両足が地面から離れてしまっても、その状態でショットしなければ問題ありません。
・イリーガルジャンプ
手球の下をすくい上げるようにショットして、手球をジャンプさせた場合はファウルです。
ファウルになるばかりか、ラシャを痛めるので絶対にやめましょう。
正しいジャンプショットはキューを立てて、手球を台に勢いよくたたきつけることでバウンドさせるものになります。
キュースピードが必要なので、ジャンプキューというジャンプショット専用の道具まであります。
ジャンプショットは高度なテクニックなので、初心者のうちはジャンプのことは忘れましょう。
初心者の間はジャンプは×と覚えておいてください。
5.ゲームの勝者
冒頭でも触れましたが、ナインボールでは9ボールをポケットしたプレイヤーがゲームの勝者になります。
1~8ボールを1個もポケットできなくても、9ボールさえポケットしてしまえば勝ちです。
また、他のゲームの勝利方法としてスリーファウルがあります。
相手プレイヤーが3回連続でファウルした場合にはそのゲームに勝利できます。
ただし、スリーファウルで勝利するためには、相手プレイヤーが2回連続でファウルした際に、その旨を伝えなくてはなりません。
相手プレイヤーが2回連続でファウルした場合には、「ツーファウルです。」などと必ずコールしましょう。
コールがない場合には、スリーファウルは無効になります。
6.セットの終了
既定のゲーム数に先に到達したプレイヤーがセットの勝者になります。
ゲーム数に差を設けることでハンデを付けるのが一般的です。
ちなみにビリヤードでは~先などと表現します。
5ゲーム先取なら「5先(ゴサキ)」といった感じです。