正確にショットする
ここでは、より正確にショットするために、ストロークやフォロースルー、インパクトといった、ショットに関連した気を付けたいことを紹介しています。
ショットの構成と動作の要素
ショットは時系列で並べると次のような動作の要素で構成されます。
- テイクバック
- 撞き出し
- インパクト
- フォロースルー
これらの一連の動作の全体をストロークといいます。ショットとストロークは割と近いことを言っていますが、ショットはよりインパクトや結果に重きを置いたニュアンスで、ストロークは動作そのものという意味合いが強いです。
なお、2の撞き出しは一般的な用語ではありませんが、個々の部分に相当する一般的な用語がないので、このような名称をあてています。
それぞれを詳しく見てみます。
テイクバック
テイクバックはキューを後ろに引く動作です。できうる限り肘が動かないように注意して、構えたときのキューレベルが維持されるようにまっすぐキューを引くことを意識します(”キューレベル”とはキューの傾き、水平度合いのことです。)。また、必要なキュースピードに応じて、キューを引く距離は変わってきます。大きなキュースピードが必要な時にはテイクバックを大きく取り、キューをしっかり引くことで、キューが加速できる距離を十分に確保できるように心がけます。逆に、キュースピードを小さく抑えたいときや、土手撞きなどで撞点がシビアなときには、テイクバックを小さめにして、自然にキュースピードが小さく収まるように工夫します。
撞き出し
キューを引ききったところから、タップが手球に接触するまでの、キューを手球に向かって撞き出す動作です。他の3つの要素のように、一般的な名前がないので、ここでは撞き出しという名前をつけています。撞点に向かってまっすぐ正確に、かつ、必要なだけのキュースピードが出るようにしっかりとキューを振ります。ここで、キューへの速度の与え方はショットに応じてざっくり分けて2通りあります。
- 加速させて振る
- 等速度で振る
1つ目の与え方は、大きなキュースピードでショットしたいときに用います。インパクト付近で速度が最大になるようにキューを加速させて振ります。肘を固定して前腕を振り子のように振ることでキューを自然に加速させます。この時に、グリップには余計な力を加えずキューがまっすぐ振れるようにしつつ、同時にキューが滑らずすっぽぬけない適度な握力を加えます。
2つ目の与え方はキュースピードをコントロールしたいときに用います。キューをインパクトの瞬間までなるべく同じ速度で運ぶことで、どの瞬間でインパクトを迎えても同じキュースピードで手球にあたるように工夫した振り方です。
いずれの振り方でも、キューレベルを変えないようにまっすぐとキューを振り、撞点を正確に捉えることが非常に重要です。
インパクト
キューのタップが手球に接触して、離れていくその瞬間です。インパクトの瞬間に肘が90°になり、力が最も自然に入るようにキューが振れるのが理想です。
フォロースルー
インパクト後のキューを止めるまでの撞き出しの動作です。フォロースルーの動作そのものは、実際にはインパクトが終わって後の世界なので手球には影響はないのですが、フォロースルーを意識することでインパクトの瞬間のキューの動きに影響が出て、手球のアクションに変化が出ます。ショットによってフォロースルーはいろいろと変化しますが、撞点を捉え続けるような動きを意識するのが基本となります。これは、撞き出しているときにいつインパクトを迎えるかを正確に予測することが非常に困難なので、どこでインパクトを迎えても正確な撞点が捉えられるように、はじめからフォロースルーも撞き出しと同じようなものになるように意識しておくためです。また、インパクトで力が働いたとしても、キューが弾かれたり、軌道がずれたりすることなく、まっすぐ進むようなフォロースルーを意識することが重要です。
フォロースルーの長さは、特に意識する必要がなければ、インパクト後15~30cm程度で自然に収まるところで問題ありません。撞点やストローク全体の流れによって様々に変化しますが、フォロースルーが長いとショットの精度やコントロールが上昇し、短くなると回転数が上昇します。例えば、回転数の大きいドローショットなどは、キュースピードを上げてかつフォロースルーを短めに抑えると、より回転数が自然に上げやすいとされています。遠いフォローショットなどはわずかな撞点のブレでカーブするリスクがあるため、ショットスピードを上げながらもフォロースルーを長めにとって精度を上げる工夫をするなどの例もあります(これらの例はあくまで例ですので、これがベストというわけではありません)。
ショットの流れと気を付けること
ショットを全体の流れ意識して、見ていきます。
- 構える
- プラクティスストローク
- ファイナルテイクバック
- タメ
- ファイナルストローク
- インパクト
- フォロースルー
- 構えを解く
ここで、1の構えるの部分はひとつ前のページの「正しいフォームを覚える」の内容を省略して書いています。詳しい内容は前のページに任せて、このページでは触れません。
それぞれショットの流れの中で、気を付けることを見ていきましょう。
プラクティスストローク
インパクトを取るファイナルストロークの前に、ストロークイメージを固めるために行う練習のためのストロークです。つまり、素振りです。
狙った撞点に向けて、イメージしたキュースピードでストロークしてみて、頭でつくっていたイメージを体を使って再現してイメージをより固めます。このときにフォームの違和感などを確認して、スムーズにいかないようであれば構えを解いて、再度作り直します。
プラクティスストロークでは本番のファイナルストロークとなるべく同じことをするように心がけてください。撞点やキュースピードはもちろん、目の使い方、体の力の入れ方、心の在り方などなるべくすべてこの練習ストローク中に練習するようにします。インパクトの直前でキューを止めないといけないので、キュースピードはどうしてもファイナルストロークよりは落ちてしまいますが、そのこともしっかりと頭に入れて、しっかりしたプラクティスストロークを心がけるようにしましょう。
ファイナルテイクバック
本番のストロークでキューを後ろに引く動作です。プラクティスストロークで固めたイメージをなぞりながら、ファイナルテイクバックではよりテンポに気を配ります。ここのテンポは人によって心地よく撞きだせるものが異なりますが、特に自分のしっくりくるテンポがまだみつかってない方は気持ちゆっくりめから始めるといいと思います。また、ファイナルテイクバックでもうひとつ重要なのは、プラクティスストロークで固めたイメージを崩さないことです。もしも、ファイナルテイクバックで不安や新しいイメージがわいてくるなどの邪念が入ってきたことを感じたときは、必ず構えを解いて、構えを作り直すところまで戻りましょう。イメージはプラクティスストロークでしっかり固めて、ファイナルテイクバックでは無心でそれをなぞり、気にするのはテンポだけ、という気持ちでのぞみましょう。
タメ
ファイナルテイクバックでキューをひききったところで少し固まることを言います。タメはあってもなくてもどちらでもいいです。タメを入れることでテンポやイメージが向上するのであれば、タメを入れる方が良いですし、タメを入れることで不自然な動作につながるようであれば、タメを入れない方が良いです。完全に好みによります。
ただし、ストロークはある程度の連続性が重要ではあるので、タメを入れる場合でも長くとも1秒程度までにしたほうが無難です。筆者はショットにもよりますが、0.2~0.5秒程度のタメが入る場合が多いです。
ファイナルストローク(撞き出し)
本番のストロークの最後の撞き出しの動作です。動作中は無心が良いです。自分を信じてむしろ余計なことをしないようにしましょう。
ここで大事なことは、動作は無心で行うが、その結果自分がどういう動作をしているのかを感じとることです。キューがまっすぐ出ているか、キュースピードは適切なのかなど、自分が行っている動作を感じ取りましょう。これにより、成功しているときはもちろん、失敗したときにも、何がまずかったのか自分自身で解析できるようになります。
インパクト
キューのタップが手球に接触して、離れていくその瞬間です。ほぼ一瞬ですので、インパクトの瞬間を肉眼で具に観察することはほぼ不可能に等しいくらい難しいです。なので、あまり難しく考えず、キューを通じて手に返ってくる衝撃を感じ取りましょう。撞点やキュースピードによって返ってくる感覚は変わってきます。経験を積むと、その感覚と手球の動きを結び付けて、感覚から撞点やスピードがイメージとあっていたのかがわかるようになってきます。
フォロースルー
インパクト後のキューを止めるまでの撞き出しの動作です。キューをまっすぐ出して、わずかに静止するような意識で行うと、キュー出しが安定し、ヘッドアップの防止にもなります。
構えを解く
ヘッドアップ防止とフォロースルーの安定のためにも意識して構えを解くようにしましょう。反対に言えば、「構えを解くぞ」と思うまでは構えを解かずにフォロースルーの状態で居られるように癖付けすると良いと思います。