代表的な厚みを知る
シュートを成功させるためには、イメージボールを正確に描けるようにすることも重要ですが、構えた際にイメージボールを厚みに変換することや、そもそも入る厚みを体に覚えこませることも重要です。厚みを覚えるにあたっては代表的な厚みを頭で覚えておいて、それを基準にして実際に練習するとより早い習得を目指せるでしょう。
イメージボールと厚み
そもそもイメージボールや厚みって何?という方は初級者の道の該当ページをまずは見てみてください。
ここからは上記ページの内容を踏まえた上でお話していきます。
シュートの狙い方としてはイメージボール(もしくは接点)をつくって、そのイメージボールめがけて撞くというのが一般的です。ただしここで、よほど頭の位置が高いフォームでない限り、構えていないときと構えているときとでは球に対する視界の角度が変わり、球やイメージボールの見え方が変わってきます。イメージボールを描くときには構えていないので、球の配置を比較的真上の方から鳥瞰的に見ることができます。つまり、イメージボールを描くときにはプレイヤーは「鳥瞰の世界」にいます。しかし、いざ手球を撞こうと構えに入ると、見えてくるのは奥行き感だけの視界で、イメージボールを描いたときとは全く違った視界になります。構えながら見ることができるのはイメージボールと的球の重なり具合だけ、つまり、「厚みの世界」です。このように、構えに入る間にプレイヤーは視覚的に「鳥瞰の世界」→「厚みの世界」へ移動しているのです。
不慣れなプレイヤーは「鳥瞰の世界」→「厚みの世界」と視界が移動する間にイメージボールの見え方が変わってしまって、「鳥瞰の世界」ではイメージボールが正しく描けているのに、「厚みの世界」で間違った方向に撞き出してしまうということが多くあります。もしくは「厚みの世界」でも正しいイメージボールが維持できているのに、なんとなくこのまま見えた通りに撞くと外しそうなのでイメージボールを補正し、結果的に外してしまうということさえあります。「厚みの世界」は慣れていないとかなり錯視が起きます。正しく厚みを捉えていても、外れそうに見えるのです。
「厚みの世界」の錯視に引っ張られて、「入りそうな見え方」でシュートを入れたり外したりと繰り返すうちに、段々と厚みに対する自信がなくなってきます。「鳥瞰の世界」で描いたイメージボールが間違っているのか、撞き方が悪いのか、錯視のせいなのか、実は他にシュートミスの原因があるんじゃないか。。。自分の技術に疑心暗鬼になってきます。
大丈夫です!!みんな通る道です。
どのプレイヤーも同じ人間なので、「厚みの世界」では見た通りでは錯視が起きます。上級者でもです。ではどうして球が入るのかと言えば、訓練することで「鳥瞰の世界」↔「厚みの世界」でのイメージボールの見え方を一致させているからです。こういう配置のイメージボールは「厚みの世界」ではこのように見えるのだ、という訓練を積むうちに段々と厚みを覚えていきます。上級者は厚みそのものを覚えているので、難しい球以外はもはやイメージボールを描く工程すらなくして厚みだけでショットしていくことも増えていきます。場合によっては、イメージボールをつくらない方が錯視の影響を受けない分、かえってシュートミスが起きにくいという状況さえも出てくるほどになります。
初級者でも「鳥瞰の世界」でのイメージボールはかなり正確に描けることが多いです。なので、「厚みの世界」でも「鳥瞰の世界」でつくったイメージボールが維持できるように訓練することが重要です。そのためには、代表的な的球の進行角度と厚みの関係をある程度覚えて、「この進行角度のシュートはこの厚みで正しいはずだ」という答えを先に知った上で練習をすることで、錯視などの影響を徐々に振り払っていくのが良いと思います。
厚みの計算方法と代表的な厚み

厚みの量と的球の進行角度の関係を物理的に計算すると上の図のようになります。
この計算によって得られる厚みと的球の進行角度の関係をいくつか選んで表にすると以下のようになります。

ただしこれらは理想的な状況(摩擦、回転の影響なし&球は真球で完全に同じ大きさ)での計算なので、実際には球の大きさや真球度の微妙な影響やスロウの影響によって、完全にはこの計算通りにはなりません。特にスロウの影響は大きく、多くの場合は実際のθの値はこの計算よりも小さくなります(スロウについての詳しい話は後の他のページで説明しています。)。そのため、スロウの影響を受けやすい配置やショットを選択するときには、多くの場合この計算よりも薄めに狙うことになります。
「厚み1/2で30°」はとてつもなく有名なので必ず覚えましょう。
他は好みだと思いますが、計算上は「45°は1/3と1/4の間」ということも覚えておくと役に立つと思います