90°分離の法則

的球にヒットした後の手球の挙動を理解するためには、フリのある配置においてどのような方向に手球が進んでいくのかを知っておく必要があります。
そこで大きな助けとなるのが、90°分離の法則です。
ここでは90°分離の法則を理解し、ダシに取り入れていくために必要な要素を見ていきます。

フリについて

手球と的球とポケットの関係性において、実際のプレーで目にする配置は、手球-的球-ポケットが真っ直ぐ並ぶような”全厚”の配置ばかりではありません。
むしろ、的球-ポケットを結ぶ線と手球-的球を結ぶ線とに角度がついている配置がほとんどです。
このような的球-ポケットを結ぶ線と手球-的球を結ぶ線とについている角度のことを”フリ”と呼びます。
また、フリができるような配置になること”フリがつく”という風に言います。
例えば、下のような配置はフリがついている配置です。

また、的球にヒットした後に手球が自然に右に行くようなフリを右フリ、左に行くようなフリを左フリと言います。
つまり、上図の例は右フリです。

90°分離の法則

フリがついている配置において、実は的球にヒットした後の手球の挙動には大原則があります。
それが、

的球に手球がヒットした後、手球は的球のシュートラインに対して必ず90度方向に動きはじめる。

というものです。これが90°分離の法則と呼ばれる法則です。
例えば、先ほどの配置で的球に手球がヒットする際に無回転となるようなショットをした時の手球の挙動は下のようになります。

この手球がシュートラインに対して90°に分離して、そのまま移動し続けるような手球のラインが自然なライン、90°分離ラインとなります。
手球の押し引きの回転の影響もこの90°分離ラインをもとにして乗ってきます。

90°分離ラインと押し引き

フリのある球では手球は必ず90°分離ラインに乗って動き始めるという90°分離の法則について説明しましたが、手球に押し引きの回転がかかっている場合にも手球のラインの基準としてこの法則は働いています。

まずは押し球のときを考えてみましょう。
上の撞点を撞いて、手球に押しの回転をかけた場合、手球にはショットした方向に進み続けようとする力が働きます。
そのため、的球にヒットした後に90°分離のライン上を動こうとする手球は、この力によって下の図のように前方にカーブするように進行します。
(下の図はあくまで1例です。撞点と強弱で様々に変化します。)

つまり、90°分離ラインを基準にして、押しの影響により前方にズレて進みます。
また、この押しの回転によって手球の進行方向に出るカーブのことを”押しカーブ”と呼びます。

引き球でも同様です。
下の撞点を撞いて、手球に引きの回転をかけた場合、手球にはショットした方向と真反対の方向に進もうとする力が働きます。
そのため、下の図のように後方にカーブするように進行します。
(こちらもあくまで1例です。撞点と強弱で様々に変化します。)

この引きの回転によって手球の進行方向に出るカーブのことを”引きカーブ”と・・・と言いたいところなのですが、こちらは押しカーブほどあまり一般的には使いません(なんでなんだろう。。)。